はな垂れ小僧さま2012/12/03 11:06

岩波書店
今日も寒くなりました。2学期のお御堂参りもそろそろ終盤だなぁと思いながら、「はな垂れ小僧さま」のお話をしました。身なりはきたないけれど、願いをかなえてくれる小僧さま。結局「おまえは汚いから、もう帰れ」と言われ、追い出されてしまいます。昔話は本当に示唆的だなぁと思うのですが、「努力を認められたとしても、慢心してはならない」「価値あるものを得るには、その分汚れた部分も甘受しなければならない」という事かも知れません。「いいとこだけ取り」はできないということですね。また別の話ですが「小僧さまに感謝して、お風呂に入れてあげたり、洟を拭いてあげたりすればいいのにね」と思ったりしました。
 子ども達にも、「洟をかむ時には、片方は押さえるんだよ!両方押さえたら、出ないからね!」と教えておきました。年長組さんが受けてくれたので、少しほっとしました。

葉っぱは無料だから2012/12/06 18:39

 銀杏の葉、今年は色づきが遅かったですね。以前はたしか12月半ばには全部が落ちていた気がするのですが、いまが落ち葉の真っ盛りになっています。
 以前のブログにも書いたと思うのですが、銀杏の葉で遊べるのは年間3・4日しかありません。朝、先生方と掃いているのですが、振り返ってみると「あれ、やったの?」という位、改めて金色の絨毯が敷かれていたりします。
 で、子ども達は集めて袋詰めにしたり、シャワーにしたり、お布団にしたりと散々遊ぶのですが、私は「無料でできる」遊びだ、という事が案外大切だと思うに至りました。
 お金が掛からない、ということは商業主義に巻き込まれない(むしろ脱する)からです。恐らく昔から殆どの遊びは「無料」だったのでしょう。凧や独楽だって、基本は「自分で作ったり、親兄弟に作ってもらったり」で、お金が介在することはなかった筈です。そうだからこそ、自分達で手を加えていったり展開していくことが自在だったのだと思います。
 虫取りは、基本的には無料。ポケモンは有料。「集める」という行為・遊びとしては同質かも知れませんが、そこには全く違う側面が潜んでいます。
 「子育ての外注化」と言われて久しいですが、外注化が成立するのは経済活動に組み込まれているからです。願わくば(お寺発祥の幼稚園ですし)「お金とは関係ない遊び」を沢山知り、経験していって欲しいと思います。
 と言うことで、砂だらけになって帰る子が増えるかと思いますが、ぜひご容赦!

交通安全・防犯指導2012/12/11 16:13

今日は、富坂警察の方にお越しいただき、ご指導をいただきました。今時というかDVDを駆使したもので、子ども達は実体験なしに大切なポイントを教えて貰ったと思います。また、「いかのおすし」=行かない、乗らない、大声を出す、すぐ逃げる、知らせる、については歌で覚えたので、鼻歌で歌う子がいるかも知れません。
 写真は年長さんで、この学年のみ「歩行訓練」として千川通りまで歩いてきました。普段の登園でも通っている子がいると思いますが、路側帯がある/ない、駐まっている車のある場所など、状況の変化に応じて気をつけながら行きました。
 横断歩道では「右見て、左見て、右見て、確認して手を挙げて横断」と改めて教わりました。少し間は取りますが、子どもが確認しようとしていたら、「自分で見るのね、よしよし」と少し付き合っていただけると幸いです。きっとスグに習慣化しますから。

跳ねます 弾みます2012/12/13 11:11

flybarのHPより転載
 今週の頭から、園庭には新しい遊具が出ています。一輪車・2輪スクーター、そしてホッピング。いま子ども達には、このホッピングが大人気です。適正体重があるので、学年によってやり難かったりする子もいるのですし、そもそも「一本足」ですから当然バランスを取らなくてはなりません。年長さんは早くも「200回越え!」の子もいるようです。ひとときも休まず跳ね続けなければならないのも、何となく子ども向きな感じがします。
 一クラスの人数分もない遊具ですから、時間帯は当然「園庭開放の時」になります。お母さんに支えてもらいながら、慎重に、でもウキウキしているから動きのテンポは速くなってしまいます。バネの伸縮に合わせて踏み込めると、かなり「分かってくる」のですが…、まだ難しいようです。
 これから先に行くと、「跳ねながら、行きたい方へ行く」「段差を越える」など、バリエーションが出てくると思います。見方によっては危険と隣り合わせですが、(そこが面白かったりして)子どもはケガしても軽く済みますから、どうぞ近くで見守ってあげて下さいね。そして、自分から「転んじゃった、手当をして欲しい」と言えるかどうか、見てあげていただきたいと思います。
 ちなみに、大人用は30kg〜80kg用とか、あるみたいですよ。

お餅つき ほぼ終了2012/12/15 12:42

 今日はお餅つき。園だよりにも書きましたが、「おいしくお餅を食べる」という一行のために、全部で200名が力を合わせて参加しました。事前の雨予報を受けて、新園舎になって初めての雨バージョンでの開催となりましたが、それぞれお一人お一人が明確な意図を持ちキビキビと動かれている姿が印象的でした。
 予定表をご覧になった方はご存じと思いますが、あれだけ緻密な計画を、ほぼ見込み通りで進められるのは、皆様の主体的な行動による以外ありません。それぞれのポジションでお力をいただいた皆様、本当にありがとうございました。お父さん方、運動後のストレッチも大事ですよ、お忘れなく。私は風邪予防も含め、夜はサウナかな…。
 子ども達の様子は学年だよりに譲りますが、まずは全体としての御礼まで。外は寒いので、どうぞお気を付けて。

学期を終えるにあたり2012/12/18 11:29

HNK出版の楽譜
 寒くなったと思ったら小春日和と、園庭の紅葉の葉さえ、「どの色にしようか?」と迷っているかのようなお天気です。子ども達は今日「お楽しみ会」で、学年みんなで遊んだり、一緒にお菓子を食べたりして穏やかに過ごしています。
 さて、最近の大ヒット(私的に)は【花は咲く】です。NHKの東日本大震災プロジェクトで使われている曲で、今までにも耳にしていた筈なのですが、この間ふと聞いたピアノ版で、じぃんと来てしまいました。震災がきっかけで出来た曲ではありますが、未来があるということ=だれにでも根源的に共通すること=を思い起こさせられます。今朝の「お早う」と挨拶する一瞬の中に、「ああ、この子の花も咲きますように」「ああ、このお母さんの花も咲きますように」…いつか散ることを知りながら、でも咲く。時間のスパンは短いけれど、人と同じ運命を持つ花が、子ども達に、そして挨拶している自分自身に、重なって見えました。
 2学期、子ども達はたくさんの行事を通じて、「友達と一緒に作り上げる、一緒に過ごす」ことを経験してきました。そして大きく成長したと思います。辛い事があっても、それを終えた・越えた時には過去の自分から遙かに成長した自分に気づくものです。4か月という短い間に、人はこれ程までに変わるものです。
 もしかすると、死という「究極の変化」があるから、人は「成長」するのかもしれない、と思いました(死なないのなら成長の必要はない)。また改めて。

お荷物整理2012/12/20 10:09

 何だか学期終了という感じのポストの後で申し訳ないのですが、幼稚園の学期はやはり、お荷物整理&終業式で終わりになります。各学年でお部屋や遊具の掃除をしているのを見て廻りながら、「ああ、やはり掃除は人間らしい行動だな」と思いました。
 掃除を何故するのでしょうか?物を使ったから。それは確かに一つの答えです。しかし、より本質的であると思うのは「今後も使うから」です。「使い捨て」の物を考えれば分かりやすいと思うのですが、今後使わない物は、捨てても構わないわけです。そうではなく、これからも使い続ける大切な物と捉えている、そんな価値感が「片付ける・掃除する」には潜んでいると思います。これから冬休みに入り、子ども達が家でおもちゃを出しっぱなしにしていたら、「あら、片付けないのなら犬が来て持って行ってしまうよ」と言ってもいいのではないでしょうか(園長は終業式のお話でそう言ってあります)。お料理道具も、洋服も同じ。まだお世話になる、また使うから洗う訳です。
 もっとも、日本人は更に進んで「使わない物を最後に綺麗にして出す」という価値観さえ持っていますね。針供養とか人形供養とかも。「自然から賜った物を使わせて貰った。お世話になった。縁が切れて自然に返すのだから、汚いままでは申し訳ない」という想いなのだろうと思います。それは是非知っていて欲しい考え方ですが、いつか大人になってから。