いのちに触れる2009/09/23 18:22

最近、石川県の「金森俊朗」先生の本を読んでいます。そこで先生が小学生たちに経験させたいのは、「生きることの原風景」だそうです。自らが生きる時に参照する風景。生き様の原点を持たせたい、という事のようです。普段生活している間は、「原点などというのは余り気にならない」のかも知れません。しかし、イザ何かが起きた時や、大きな決断をする時に、自分がどんな原点を持っているのか、はそれを決定づけると思います。「どっちでもイイけれど、どっちがベターなの?」を考える時にも。 そのために、子どもには本物を、真実を知っておく必要があるのではないか。それが先生の出発点になっていると思います。もちろん、先生自身の過去の体験と、そこから導かれる価値観も描かれています。 その実践の一つに「妊婦さんに教室に来てもらう」というのがあります。お腹に触ったり、耳を近づける子ども達。きっと「本物」の持つ力が子ども達を包んでいたと思います。生まれるということ、生きているということの「希少さ」や「脆さ」から尊さに気づいていく描写は、「生き物は大切にしましょう。ハイ、解ったね」では済まされないものを感じました。幼稚園でも、ぜひ何らかの実体として「いのち」に触れる機会を持ちたいと思います。